2012/07/10

稲作文化とノハナショウブ(7/10)

やっと昨日までの調査のサンプル整理がひと段落しました。


昨日は、新聞掲載の話題だけで終わってしまいましたが

8日の八戸調査の後、むつに向かい宿泊し

9日は東通村周辺のノハナショウブの開花状況を調査しました。


すると、田んぼの畦に咲くノハナショウブを発見!





この景色、以前は青森県や秋田県の各地でみられたようですが


田んぼの土地改良や、草刈り機械や除草剤の普及で

徐々に田んぼの畦からノハナショウブが消えてしまったようです。

そもそも、ノハナショウブは湿地などに生えるため

その土地は必然的に田んぼとしての開墾に向いた土地だったのでしょう。

その様な中で、雑草として抜き取られてしまってもいいものを

まさに「美しさは身を助ける」で、捨てられずに畦に移植され

稲作と共存してきたものと考えられます。

リンゴやナシ、ナスだって花だって
園芸作物は全てはじめは野生植物から始まります。

そのなかで、少しづつ少しずつ人間が手を加え

よりおいしいもの、美しいものへと選抜が繰り返されました。

そのような過程は良くわからなくなってしまったものが多いのですが

花菖蒲に関してはこうやって、今でも田んぼの畦に証拠が残っているので

「最初の昔と同じ姿」


をいまでも眺めることができます。

しかし、これもごく限られたものになってしまいました。


植物そのものが貴重なのはもちろんですが

その植物が生育する「世界」=「周辺環境」そのものが大切で価値あるものだということを理解し、

残して行ってもらえるよう、

自然科学と人文科学を融合させながら
研究活動進められたらいいと思っています。

共同研究者の田淵先生もきっとそんな気持ちでいると思います。

ところで...


田淵先生の事が日本経済新聞の電子版に掲載されました。
ぜひご一読ください。

写真に青森から送ったノハナショウブたちが。
また、内容で種差海岸で津波被害を受けたノハナショウブについて
触れられています。

↓記事へのリンク
ノハナショウブ、自生地急減 日本の「古典園芸植物」を守れ


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